µVision4 と C の相違点

ANSI C と、µVision4 のデバッグユーザ関数およびシグナル関数でサポートされている機能のサブセットには、数多くの違いがあります。

• µVision4 には大文字と小文字の区別がありません。オブジェクト名と制御ステートメントは大文字と小文字のどちらでも記述できます。
• µVision4 にはプリプロセッサがありません。#define、#include、#ifdef などのプリプロセッサディレクティブはサポートされていません。
• µVision4 ではグローバル宣言がサポートされていません。スカラ変数は関数定義内で宣言する必要があります。DEFINE コマンドを使用してシンボルを定義し、グローバル変数のように使用できます。
• µVision4 では、変数は宣言時に初期化されません。明示的な代入文を使用して、変数を初期化する必要があります。
• µVision4 の関数ではスカラ変数型のみがサポートされています。構造体、配列、ポインタは使用できません。これは関数戻り値型と関数パラメータに該当します。
• µVision4 の関数ではスカラ変数型のみが返されます。ポインタと構造体は返されません。
• µVision4 の関数を再帰的に呼び出すことはできません。関数の実行時に µVision4 は再帰的呼び出しを認識し、呼び出しが検出されると関数の実行を中止します。
• µVision4 の関数は、関数名を使用して直接呼び出されます。ポインタ経由の間接的な関数の呼び出しはサポートされていません。
• µVision4 では、パラメータリストを使用した関数宣言について ANSI スタイルのみがサポートされています。以前の K&R 形式はサポートされていません。例えば、次のような ANSI スタイルの関数を使用できます。

func test (int pa1, int pa2)  {    /* ANSI type, correct */
  /* ...  */
}

次のような K&R スタイルの関数は使用できません。

func test (pa1, pa2)                     /* Old K&R style is */
int pa1, pa2;                               /* not supported */
{
  /* ... */
}